小松市に高倉健さんがロケに来ていた!!
小松市のとんでもなく辺境の山奥で、まさか銀幕のスターが映画ロケで滞在!!
小松市にかつてあった赤瀬町の赤瀬温泉に行ったときに、玄関に「高倉健」「薬師丸ひろ子」のサイン色紙があった。
1995年頃の話だが、当時私はまだ車の免許を取ったばかりで小松市内の温泉めぐりをしていた。
「ふーん、高倉健のような大俳優がこんな小松市の山奥の小さな旅館で何してたのだろう」と思っていただけだが、数年後
に赤瀬温泉は廃業となり更地となってしまった。
その後、テレビで「野生の証明」を見たときに、キャスティングが高倉健と薬師丸ひろ子だと分かり、金沢市内の名所がた
くさん登場しているのを見て、「きっと小松市の大杉町付近でロケがあったんだ」と確信していた。
1978年にこの映画が封切られ、小松市の赤瀬ダムが稼動を始めたのもこの年だから、ロケをしているときはまだ赤瀬ダム
湖はなく、小松市のロケ地はダム湖に沈んだのだろうと思いつつも、どこかもやもやとした思いがありました。
その後、時間が流れてインターネットの時代になり、「野生の証明」のロケ地がネット上でも検索で分かるようになったが、
金沢市はたくさん出てきたが、小松市では何も出てこなかった。
2013年の春、『赤瀬温泉にパナソニックの創業者、松下幸之助氏がお忍びで来ていた』、という昔聞いたガサネタを思い
出して、地元の古老に聞こうと、波佐谷町の古ぼけた雑貨店によって、店番をしていたおばあちゃんに何気に話をしたとき
に、「高倉健を見に行ったことがあるよ」とポツリと一言。
私、「えっ?高倉健はやっぱり小松市にロケに来ていたんだ!」
「そうだよ、須納谷でロケしていたから、お向かいの娘さんに誘われて見に行ってきた。映画のためにわざわざ畑の畝を作
ってたわ、健さんはお世辞にもいい格好をしてなかった。見物人は誰もいなかったし、私らも一目だけ高倉健を見に行った
だけだから映画の内容も知らないし、顔を見たからすぐに帰ってきた。牛首峠を越えたところにある須納谷で撮影してい
た」。
その後、花立町に夏の間だけ暮らす婦人がいたので直に話しを伺ったら、その方の母親が映画のために畑を貸し出してお
り、血に見立てた赤いペンキが石垣などに数年間残っていたということだった。
映画監督が村民虐殺のあった寂れた村としていくつかの候補地を見て歩いて、この花立町を見に来たときに一発でロケ地
に決めた、ということでした。
須納谷とは、小松市に合併する前は新丸村須納谷という集落で、今なら小松市花立町。
牛首峠を越えて花立町まで車で行くとなると、道が拡幅されて舗装された現在でも、結構うんざりするようなドライブである。
まさか小松市の新保町付近に高倉健が来ていたとはびっくり。
1978年当時、私は家族と新丸町付近まで自動車で行ったことがあるが、尾小屋からの五百峠ですら、砂利道だらけでガタ
ガタの林道だった。
高倉健が小松市でロケをしていたのを目撃していたのは、花立町に暮らす人や、噂を聞きつけてきた地元の人の数名と思
われる。高倉健の撮影時間は短いため、ワンシーンを撮ったらその日は終わりというのであれば、赤瀬温泉で泊まって撮
影してたのだろう。
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